川道のプレス成長日記




こんにちは。初めまして。

オハナスタッフ、川道です。


わたくし川道は最近、焼肉を食べに行くというのが日常化しています。
というのも、昨年引っ越してきた今の家の近くに焼肉屋さんがあるから、という理由だけ。
小さい頃は誕生日や部活動の試合の打ち上げなどの際に食べる、なんとなく特別感のある食べ物だった気がします。

ただ今も変わらないのは、タン塩を必ず注文することくらい。


焼肉の中でも、”ジンギスカン”ってまた違いますよね。
身近にはあまりない存在。

初めて食べたのは、学生のころ修学旅行で北海道に行った際。
羊肉をタレに漬け込んで、鉄鍋の鉄兜(てつかぶと)で焼いて食べるというスタイル。
そして、野菜は鍋の縁に配置し、中心部の肉から流れる肉汁を調味料代わりに調理する。学生時代はただただお肉と野菜を鍋にぶっ込むことしかできませんでしたが。

ジンギスカンといえば北海道の郷土料理と食べられており、道民のソウルフード!という印象があるかと思います。


しかし聞いた話によると、実はジンギスカンは山形県発祥だとか。
 








今回の《FEATURE》のテーマ「MADE IN FACTORY」の第一弾として
山形を代表するファクトリー2社にお伺いしました。

まさに今から着たいアイテムの1つでもある、ニット。
ジャパンメイドのニットといえば…
そう。BATONERのファクトリー「奥山メリヤス」様と
我らがリジットカシミヤ、Yonetomiのファクトリー「米富繊維」様ですよね。

実はどちらも、山形出身なんです。



本日は、ロフトマンは無論、日本の誇るニットメーカー「奥山メリヤス」様と「米富繊維」様の魅力に迫るべく、スタッフ3人で訪れた山形でのお話にどうぞお付き合いください。
 
遡ること、数カ月前。
いや、もっといえば2年ほど前からスタートしていました。

ロフトマン別注として今回作られた、Yonetomiの「リジットドライバー」とBATONERの「Signature Half Zip」が弊社社長木村の構想から始まりました。何度もデザイナー様と調整を重ね、生産に至り、いよいよ今週末からお店に並ぶ。

そして、昨年も大好評いただいたBATONERのMORE VARIATIONイベントも同時開催。

これはもう、盛り上げるしかないでしょう。


日々お店の商品やイベントなどの広報として、プレス業務をしている私に火が付いたのが数カ月前のこと。



正直、我々アパレルスタッフの一番のお仕事は、簡単に言ってしまえば作られた洋服をお店で販売すること。
これに限ります。

ただロフトマンの凄いところは、店頭に立ちながらも展示会に行って受注するバイヤーもいれば、打ち出しのプレス業務をする人もいる。販売員としてのスキルはもちろん、作り手の方々との距離も近く、幅広い多くのことを学ぶことができます。
私は入社して今年4年目となりますが、入社する際に先輩スタッフから教えていただいたことを今凄く実感しています。


そして、念願叶って、10月12日と13日の2日間で山形へ行ってきました。




 

[2023/10/12 最高21℃ 最低13℃]

体感的に京都のほうが寒いんじゃないかと思うほどの12日の朝6:30。

この日のために、動画を撮るためのカメラやマイク、パソコンまで一式揃えたLOFTMANCOOP KYOTOスタッフ小森の気合に圧倒されながら。ECサイトを運営するLOFTMAN EQの店長岡川に頼らせて頂きながら、京都駅を出発しました。


新幹線で東京を経由して、東北新幹線に乗って、山形駅の次「天童駅」に到着。
天童は将棋の発祥地でもあり、駅には不随するオブジェがたくさん。郵便ポストの上にも、将棋の駒。地面のタイルにも将棋の駒。
ただ私は知識もなく全くわからなかったので、お手洗いだけ行ってきました。

そうしている内に、奥山メリヤスのセールス岩田さんが私たちを迎えに来てくださりました。オハナスタッフ全員が大好きな岩田さん、お顔を見た瞬間に心がホット。


そこから、おすすめのお蕎麦処「吉亭」さんへ。
山形では冷たい蕎麦やラーメンが有名だそうで、冷たい肉蕎麦とセットでげそ天を頂きました。これ、冗談抜きで滅茶苦茶美味しかったです。
正直これだけを食べにもう一度山形行きたいくらい。本当に、絶品。



そんなゆっくりしている場合ではなく、早速奥山メリヤス様の工場取材へ。

と、その前に。
ニットを作る上で重要な素材“糸”を染色、加工する関連工場として長くお付き合いがあるという「山形整染株式会社」様へ連れて行っていただきました。今回の貴重な機会がなければ、見られることはなかったかもしれない、デザイナー奥山さんが思い描いたものを作る為のスタート地点。

そこでかせ染めとチーズ染めという2種類の染色方法を駆使して、BATONERの豊富なカラーバリエーションを作り上げているということですね。


こういった関連工場が15分圏内にあるという、生産を行う上でのインフラが整っていることはなかなか珍しいそう。絶妙な色の違いや風合いを具現化するために、職人さんたちと直接話し合いができるため、より精度の高いものができるということ。
岩田さんと山形整染(株)の皆様との掛け合いを見ていても、穏やかで素敵な関係性を感じられました。

そしてそして、本題の奥山メリヤス様へ到着。

何度も何度もネットで見ることはあったファクトリーの外観。
正しく、工房という言葉が相応しいほど味わい深い趣がありました。


現場では30名ほどの女性を中心に、各工程で分かれて作業をされていました。
(工程の様子は別ページにてご紹介しておりますので、是非合わせてご覧ください)
工程の様子はこちら

中でもご紹介いただいた、期待の新人という21歳の女性。
ニットが好きでわざわざ県外から縁もゆかりもない地、山形へ来られたそう。
驚いたのは、彼女は夕方にお仕事が終わって、そこから寝て夜中2時に起きて、出勤するまでセーターを手編みする、というルーティンを続けているという。

素晴らしすぎる、熱量。かっこいい。
自分と年齢も近いが故に、まだまだだなと思い知らされました。

しかし、そういう若い方へ会社と伝統技術を継承していくということを奥山さんも大事にされているからこそ常にアップデートし続けることができるのだと思います。






奥山メリヤス様では、リンキングというニット特有の縫製をメインにされていたのですが、これがもう手作業の代名詞ともいえる繊細な作業なのです。
ニットの1目1目に針を刺して繋ぎ合わせていく、かなり神経を使う工程。

皆さま、一度は着たことがあるでしょう、タートルネックのニット。
実は首元の折り込まれている内側の継ぎ目は先ほどのリンキングでは出来ず、そこだけは全て1本の細い針を使って縫い合わせる手縫いなのです。
実際に見せていただきましたが、まさに職人技でした。
 
もう一つだけ、お話させてください。

工場に入って突き当たり、一番奥になんだか扉の付いた異空間。
そこは、”プレシング”といって熱を与えて形をきれいに整える作業をする部屋。


ちょうど時間も日が暮れる頃でした。
そこの窓を開けると、そこには山と畑の畝。
岩田さんが「実は、奥山はこれをみてシグネチャーを作ったんじゃないか、という説があるんです。僕も何回も聞いているんですけど、何も言わず、にっこりと笑うだけなんです」と。

シグネチャーニットのアイコンでもある編み地は八の字になっており、特徴的な畦道のような畝。

この景色だけは、今でも脳裏に残っています。


初めて見る光景ばかりに、毎度圧巻されながら
最後に奥山メリヤス 社長奥山さんとの対談インタビューをさせていただきました。

ただこれだけでは、全然聞き足りない。


というわけで。
その後、連れて行っていただいたジンギスカン屋さんでも弾丸かのように、質問攻め。
(あっ、そうです。冒頭の1説はここで入手しました)

2件も行かせて頂いたのに、話足りず惜しむようにお別れしました。

そんな山形一日目。







 

[2023/10/13 最高21℃ 最低14℃]

昨晩、ホテルに帰ってお風呂やらなんやらして、気づいたら寝落ちしていました。

おはようございます、二日目の朝。


集合時間まで余裕があったので、近くのマックスバリューまでお散歩。寧ろマックスバリューだけが近くの観光地(言い過ぎ)

雪の降る地方の信号機は、積もった雪の重さで壊れないように縦型になっているんですね~。


山形駅の近くに宿泊していたので、集合前にお土産をサクッと購入して、11時過ぎ頃、米冨繊維様のセールス今田さんが迎えにいらして下さりました。ロフトマンのレディースとしては、梅田店で米冨繊維オリジナルブランド〈COOHEM/コーヘン〉のお取り扱いをさせておりますが、オハナ店ではないので、初めましてでした。
車を20分ほど走らせ、田んぼや路面電車がある風景の中、突如現れたのは異質な雰囲気の“イノベーション”という言葉がマッチする、米冨繊維様の工場と隣接するお店。
これまた、何度もネットで拝見しておりましたが、想像を超える広さで思わずスタッフ3人とも声を揃えて「おーーーーー!」と。



そして、早速工場内を・・・と、その前に
米冨繊維様からお昼ごはんに冷たいラーメンをご用意していただきました。恐らく皆様もなんとなく想像できるかと思いますが、それ以上にさっぱりで食べやすく、夏のラーメンは全国共通で冷たくしてほしいくらい。

米冨繊維 社長大江さんと今田さんとおいしいラーメンをすすりながら、会社についてのお話をお聞きし、いよいよ工場内へ。



まず目に飛び込んできたのは、奥行きのある部屋にずらーっと並んだ、日本一を誇る計43台もの編み立ての機械。先に話したCOOHEM(=交編)というオリジナルブランドを挙げてもそうですが、米冨繊維様の得意とする高度な解析を要するプログラミング、その際に使用する糸の色や素材を組み合わせの素晴らしさがここでも目に見えて分かりました。


米冨繊維様は比較的3ゲージと5ゲージを中心にローゲージの機械が多い。
1ゲージとは、編み機の針の密度を表しており、1インチ(約2.54cm)の間に針が何本あるかでゲージ数が変わります。例えば3ゲージの編み機でも、間隔が広い分何本か糸を組み合わせることができるので、米冨繊維様の作り出すセーターは多種多様なのです。


創業当時からOEM生産も多く手掛けてこられているため、何度も試行錯誤して作り出された編地のサンプルたちは、専用の部屋にぎっしりと管理されています。今後も挑み続けられていく編地の開発、と同時それらは引き継がれていく財産でもあるでしょう。

そして米冨繊維様の伝統的な技術と作り出されるセーターを遺していく為にも、昨年8月に満を持して初となる直営店が工場に隣接してオープンしました。実際にお店に来られたお客様も工場内を見学でき、自分がモノを見て触っていいなと思って買ったものの生産背景が見れるなんて、滅多にない経験ですよね。
コバナシですが、
米冨繊維オリジナルブランドの1つである〈THISISASWEATER〉は、直営店またはECサイトでしか販売されておらず、前々から気になっていたスタッフ小森は念願のアランセーターをゲットしていました。そのアランセーターは伝説のハンドニッターとして知られる故“モーリン・ニ・ドゥンネル”が自らの技術と情熱のすべてを注いで編み上げた「21世紀最高のアランセーター」をモチーフとしたもの。
それはもう心くすぐられない訳がないですよね。

そんなワンシーンもありました。


そして社長 大江さんとの対談インタビューでは、こちらが質問させていただいたものに対して何倍もの量のアンサーをくださり、当初質問する予定だった内容からどんどん派生していってしまい。気づけば京都に帰らないといけない時間に。
工場をで出るぎりぎりまで、ずっとお話していただきましたが、まだまだ足りない。
もう1日でいいから、欲しかったですね。




そんな新鮮な経験がつまりに詰まった二日間。

この1カ月酔いは醒めず、ぶっ通しでこのFEATUREページを作成させていただきました。




そして、来たる11月10日(金)から始まるBATONER MORE VARIATIONでは、私たちが実際に見た景色を皆様にも見ていただきたく、実際に撮影した写真を沢山展示させて頂きます。

全身全霊で、素敵な空間を演出し、BATONERの魅力をお伝えいたします。

是非、足をお運びいただけるととてもとても嬉しいです!


オハナ 川道
 

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