Wool Hemp Dobby Set Up

今回はGorschのセットアップのご紹介です。

外交官や、FRANK LEDERでの下積みなど、異色の経歴をもつデザイナー鈴木詠一氏が岩手にアトリエを構えて洋服作りをしているブランド。
天然素材の特性を活かした渋い生地使いや、日常に馴染みながらも既視感の無いユニークなデザインはデザイナーのパーソナルな感性を感じられます。

ウール83%、ヘンプ17%の生地は、古くから織物産業の盛んな愛知県一宮市の工場、近藤毛織のファブリックです。
セレクトしているDeep GreenはGorschのカラー別注。
表はヘンプの糸が強く出ているので、独特の光沢感とドライなタッチが特徴的です。
裏面にはウールの綾の組織が出ているため、フラットな質感で肌触りが良いです。

共生地の上下ですがジャケパンのセットアップではなくワークジャケットにイージーパンツのセットです。
まずはジャケットから。

Gorsch
Wool Hemp Dobby Work Jacket
col : Deep Green
size : 48 , 50
model : 173cm / 65kg (着用サイズ48)
price : ¥94,600 (税込)

5つボタンに襟付き、パッチポケットが３つのカバーオール型。
深いグリーンの生地に暗めのブラウンのボタンが、秋冬らしいアースカラーの配色で、実用服がベースとなっている形ですが、ファッショナブルな印象です。
生地が特徴的なだけのベーシックなワークジャケットではなく、オリジナルのディテールもございます。
３つのパッチポケットそれぞれの上部に六角形の当て布が。

ワークやミリタリーなどの実用衣料で見られる力布と呼ばれる補強ですが、通常身頃の裏側につけられるものがパッチポケットと身頃の間に付けられています。
負荷がかかりやすい部分の補強という機能的な意匠が、一般的なものと位置を変えるだけで、機能性は担保しつつ洋服の雰囲気を邪魔しないハイセンスなデザインとなっています。
キュプラ100の総裏地も貼ってあり、風を通さないのはもちろん、型崩れのしない構築的な印象の手助けにもなっています。
裾や袖はステッチが見えないようになっており、立体的な袖付けやハリと光沢のある生地も相まって、端正で洗練された印象のジャケットです。

共生地で組下となるのは、ウエストゴムとドローストリング付きのイージースラックス。
ブランド定番の形で毎シーズン生地を変えながらリリースされています。
太いワタリから緩やかにテーパーする上品なシルエット。
裾はステッチの見えないまつり縫いで、腰のポケットもアウトシームに沿って付けられているなど全体的にサイレントなディテールが特徴のパンツです。

Gorsch
Wool Hemp Dobby Easy Trousers
col : Deep Green
size : F
model : 173cm / 65kg (着用サイズF)
price : ¥56,100 (税込)

バックポケットのボタンにはジャケットと同じ素材が使われており、セットで着用した時にも統一感が出ます。
ゆったりとしたシルエットでイージーウエストのパンツですが、ハリのある生地や丁寧に縫われた両玉縁のバックポケットなど緊張感のある部分もあり、独特な印象に仕上がっています。
リラックスしたムードと、ピリッとした空気のバランスが心地良く、ジャンルレスで唯一無二の雰囲気を纏ったパンツだと思います。

共生地の上下というだけでドレッシーなムードが出ますが、ジャケパンではなくワークジャケットとイージーパンツのセットアップなので、かしこまりすぎない雰囲気が魅力的です。
通年着用可能で、もちろんそれぞれ単体でもお使いいただけます。
セットアップに馴染みがない方にも自信を持っておすすめできます。
カジュアルウェアながら、ウールヘンプの艶のあるオーラを纏ったセットアップ。皆様のクローゼットの新たな一着に是非ともご検討くださいませ。