JUNYA WATANABE MAN / Paraboot

JUNYA WATANABE MANからParabootコラボの一足が到着致しました。ランウェイにも登場していたので、記憶にある方もいらっしゃるのではないでしょうか。

ベースとなるのはご存知の方も多いであろう、名作トレッキングブーツのAVORIAZ(アヴォリアーズ)でございます。
このモデル、少し変わった歴史を持っていて、90年代にGARIVIER(ガリビエ)というブランドから登場して一度廃盤になったものの、2007年にParabootから同名で復刻しているんです。
GARIVIERとは、Parabootの創業者がParabootより先に創業した登山靴ブランドです。現在でもブランドは継続していて、リアルレザーを使った硬派なトレッキングシューズを作り続けています。

復刻した際に、登山靴らしいボリューミーなラストから、UチップのCHAMBORD(シャンボード)と同じやや細長いラストになっていて、その効果で本格トレッキングブーツのディテールはありながら、都会的な雰囲気にもなっています。
ソールはParabootの中でもアウトドア色の強いデザインのモデルに使用されているJANNUソール。トレッキングブーツらしいボリュームはありながら、屈曲性も良いブランドオリジナルのソールです。
もちろん底付けはノルウェージャン製法。防水性と堅牢性を高めながら、ルックスも魅力的です。
ストイックな登山靴のディテールを持ちながら、町履きも快適なParabootの定番ブーツAVORIAZ。

ベースのモデルの説明が長くなってしまいましたが、今回はJUNYA WATANABE MANの革別注でございます。
定番ではParabootといえばのリスレザーが使われていますが、ブラックのヘアカーフに載せ替えられています。 POILSという素材で、AVORIAZに使われるのはもちろん初めてです。これによって従来の良い意味でワイルドな印象から、一気にラグジュアリーで繊細なイメージが付与されました。
表革のモデルでは剛健なイメージの形成に貢献していたシルバーのアイレットやフックも、ラグジュアリーな意匠に感じます。フランスにルーツがあるブランドだからか、ラグジュアリーというよりもリュクスといった方がしっくりくる気もします。

ヘビーデューティなトレッキングブーツに、非常にファッショナブルなヘアカーフ。こういった二面性のあるアイテムは、コーディネートが難しいと感じる方もいらっしゃると思いますが、意外とスタイリングの幅が広くて懐が深いんです。
カジュアルなトレッキングブーツと解釈してジーンズやチノパンに合わせるのも良し。
光沢のある起毛素材がアクセントになってくれます。

ラグジュアリーな素材に注目して、上質なウールのストライプスラックスに合わせるのも素敵です。
先ほどとは対照的に、ボリューミーなソールや、道具的なデザインの金具がキャッチーでファッショナブルなデザインに見えてきます。

一見相反するようにも思える要素の組み合わせが、完璧に調和していて非常に完成度の高い別注だと思います。
こういったドッキング、ミックスといった手法はコムデギャルソンブランドの十八番であり、さすがの素材選びです。

日本を代表するパリコレブランドの一つであるJUNYA WATANABE MANと、歴史あるフランスの老舗シューメーカーのParaboot。そのダブルネームと聞くだけで胸が踊る方も多いのはないでしょうか。その期待を裏切らず、期待以上の出来栄えでございます。
写真で完璧には伝えきれませんが、非常に迫力のある魅力的な靴です。是非ともご検討下さいませ。