『Ink / Tinte 』
2024AWのテーマは"Ink / Tinte"。
今回のコレクションでインスピレーションとなった場面は、1980年代のベルリン・クロイツベルク アーティスト スタジオです。
そして当時のベルリンで最も影響力のあったパンク・ミュージック・クラブ「SO36」の経営者であり、戦後のドイツで代表される作家のひとりマルティン・キッペンベルガーがキーパーソンとして挙げられています。
彼のアトリエやアーティストスタジオの壁には雑誌や新聞の切り抜きが貼られ、時勢や個人的な思いをコラージュしていたようです。
今季のコレクションのLOOK BOOKではクロイツベルク アーティスト スタジオで彼が行っていたような雑誌のコラージュを再現しています。
実際に壁に貼られた広告は20世紀初頭のもの。デザイナーの
フランク自身が15年に渡って収集したもので、着用しているモデルもクロイツベルクを象徴する芸術家、ミュージシャンの方です。ドイツ語で書かれたコラージュの背景とアーティストのタトゥーが共鳴するテーマということで表題に至るというわけです。
さて、そんなテーマが込められた今シーズンもスペシャルピースをご用意いたしております。
隣国オーストリア・ウィーンで歴史のある仕立て屋からフランクが入手した1940年代のヴィンテージの生地。
どうやら祖父母の代から家族経営で仕立て屋をしてる方のようで、ナチスやホロコーストを生き延び40年代に入手した生地とのことです。
生地の希少性もさることながら、色使いや質感は他にないでしょう。
翡翠色の色味にクリーム色や鮮やかな青、それを繋ぐように黒を取り入れた色彩感覚に脱帽ですが、目を凝らしてよく見ると濃い黄色の糸を組み込んでいることがお分かりいただけるはずです。
硬派な合わせから落ち着いた着こなしまで難なく合わせられるのは、この生地を作った職人の粋な色使いの賜物と言ってしまってもいいかもしれません。
現代の技術があれば再現することはできるのかもしれませんが、それでは決して表せないストーリーがこもった生地とそれで仕立てられた洋服。
偶然、目に留まったものがそんなエピソードを携えていたら、もっと知りたいと思うのは服好きの性なのかもしれません。
FRANK LEDER
40’s SPECIAL VINTAGE WOOL SHIRT
color : GREEN MULTI
size: M
price: ¥96,800-(税込)
model-175cm/60kg(着用サイズM)
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