Gorsch [ ゴーシュ ] LINEN EASY TROUSERS

デザイン、型紙作成そして仕立てに至るまで全工程をデザイナー自身で行っているGorsch。

他のブランドには表現できない細やかな心遣いや気の利いたディテール、少し洒落っ気のあるキャラクターの洋服は着る楽しみを一層掻き立ててくれます。

決して流行などには左右されない芯のあるモノづくりに触れていただきたく、今シーズンも少量入荷ですがご紹介させていただきます。

今シーズンのテーマは『葡萄農夫』。

Gorschがアトリエを構える岩手県で国内随一の葡萄産地、紫波郡でブドウ農園を営む佐々木夫妻の装いからインスパイアされた今作は、枝の剪定や摘芽作業、収穫など腕や体を動かすことの多い仕事に向き合ったGorschならではのリアルワークウェアを展開しています。

ブランドのデザインの根底には20~30年代のドイツのヴィンテージウェアがあり、そこに当時の労働者自身がリメイクした意匠や手間がかかるために省かれてしまった仕様などを散りばめているところに注目してご覧ください。

Gorsch　LINEN EASY TROUSERS

”リネンのパンツを気持ちよく履くにはワイドシルエットに限る。歩を進める度にリネンが弾むので。”

デザイナーの鈴木詠一氏の言葉を辿るとこの文言に当たります。

外交官としてメキシコとボリビアの大使館で勤務し、側から見れば順風満帆な道を歩んでいた鈴木氏ですが、洋服好きが高じて転身。名門のセントラル・セント・マーチンズに入学し、在学中に影響を受けたFRANK LEDERでパターンメイキングを学ぶという凄まじい経歴をされて現在に至りますが、そんな根っからの洋服好きだからこそ表現できる作品。

Gorschの中では数少ない定番とも言える品番だけあって、このパンツに対しての想いは一入なはずです。文頭の言葉にはリネン素材の魅力とそれをいかに味わうかについて長年想いを馳せてきたことが伺えます。

シルエットはもちろんワイドですが、裾に向かってなだらかにテーパードさせた形で、あからさまにワイドな印象は感じない絶妙な塩梅です。

両サイドのパッチポケットはスクエアな形状になっており、補強と機能面からラウンド状のステッチが施されています。ポケットの角に収納物が詰まることを解消しつつ、ワークウェアらしい外見を残したGorschらしいこだわりです。

ポケットに関しては開き口のカッティングについても少し触れておきます。生地を使うという観点に立てば明らかにロスの多い曲線の開き口ですが、ポケットに手を入れた時に不必要なシワが生じないという利点があります。細かい部分に対しても気配りがなされたディテールにはデザイナー自身の人柄が現れていると言っても過言ではないかもしれません。

ウエスト部分はイージー仕様で、フリーサイズなのでゴムのテンションが丁度良く、シルエットにアクセントも付けてくれます。絞りが足りない方にはドローコードも付くので安心です。