興味深いのは、使用している生地とそのパターン。

まず、糸を形成する前段階でコットンの綿にリネンを混ぜ合わせ、それを紡績した太めの糸(10/1)を使用。

その糸でパナマ織りしたオリジナルの生地を1反ずつ洗い加工、タンブラー乾燥を行うことで平織りながら生地表面に凹凸が生じ、ドライな肌あたりとソフトな質感が共存した春夏向きのものに仕上がる。

ジャケットを構成する特殊なパターンについてはやはり着用していただくのが一番分かりやすいのだが、小ぶりなラペル、縫い目上に配置されたサイドポケット、比翼仕立ての前あきなど全体的にモダンな雰囲気になっており、従来型のジャケットに見られるような縦の構造線を極力廃し、全体的にゆとりを持たせることで体型などに捉われず綺麗なシルエットを織り成している。

パンツのシルエットの美しさは言わずもがなで、そのワイドストレートな顔立ちとジャケットと共生地で仕立てられた素材感の相性も抜群。