みなさん、ある特定の音楽を聴くと匂いを感じることってないですか?
「共感覚」というらしいです。
僕は大学受験期に聴いていた曲を聴くと、未だに参考書の紙やインクの匂いを感じます。
あとは父親の車で流れていた曲を聴くと、車の革のシートの匂いを感じるのですが、その曲が宇多田ヒカルの「Automatic」です。
赤のニットに緑のパンツを合わせ、黄色のソファーに腰を掛けて歌う。
初めてMVを見たとき「なんだか信号機のような色味だな」と思ったことを今でも覚えています。
ところで、この緑のパンツがフランス軍のM-47であることをみなさん知ってました?
洋服がお好きな方やミリタリーがお好きな方は耳にしたことがあると思います。
当店にもセレクトしているブランドOUTILが作るM-47のご用意がございますので紹介させて頂きます。
守破離 / OUTIL-PANTALONE BLESLE text by staff Omachi.





もう少しM-47について深堀りさせてください。
M-47とは、1947年から60年代半ばまでフランス陸軍で採用されていたカーゴパンツです。
第二次世界大戦当初「世界最強の陸軍」と称されたものの、一時は敵国によってパリを陥落されました。
後に取り返し、戦勝国とはなるものの、戦後街や国は復興ムード。
また、アルジェリアやインドシナでの植民地問題を巡った戦争に突入していくフランス。
そんな激動の時代の中に生まれたカーゴパンツです。
一方、戦後戦勝国として一気に華やかな時代に突入していくアメリカで生まれた、Levi’sの黄金期と呼ばれる47モデル。
違った用途や国の背景から生まれたものの、この時代の2大名作かなと。


M-47には前期型と後期型が存在します。
ツイル生地でズドンとテーパードの効かない前期型と、ヘリンボーンの生地でややテーパードの効く後期型。
OUTILでは前期型と後期型の間に来る移行期でよく見れらるキャンバス地を採用しております。
素材はオリジナルには無いコットンとヘンプの混紡生地。
古い洋服のコットンの水分が長い年月を経て抜け、カサっとしている生地感をヘンプの特性で表現しております。


また、シルエットは後期型を採用。
以前古着屋で働いていたこともあり、様々なミリタリーのパンツを見てきましたが、その中でも一番スラックスに近い顔をしてくれるようなシルエットかなと。
この時代のフレンチミリタリーの良さとはやはり、ガシガシゴワゴワの現代的な視点から見たら粗悪である生地と、それに対するシルエットや縫製の丁寧さのギャップ。
男らしく体育会系のビジュアルなのに、実は合唱コンクールでピアノ弾きます。みたいな。
学生時代にチヤホヤされるようなあのギャップ、欲しいです。


そしてなんといっても今季新色の黒色。
南米原産の高木「ログウッド」を使用しており、他の色展開のオリーブとグレー同様、こちらも天然染色でございます。
昔から邪気を払うと言われ、M47が誕生した同じ地フランスで、革命を起こしたナポレオンのコートもログウッドで染めていたとも言われていたり。

サイズにも触れておきます。
オリジナル同様サイズ表記は2桁の番号であり、右の数字がウエスト、左の数字がレングスを表しております。
敢えてウエストサイズをあげて絞って履くも良し、レングスをすっきりさせてみたり溜めてみたり。
細かくサイズ選びが可能である点もこのパンツの良い所ですので、今の気分に合わせてお選びください。


店頭に立っておりますと、「カーゴパンツのあの無骨な感じ何か苦手で」という声を耳にする事も少なくありません。
先ほども述べたように、スラックスに近い顔をしてくれるM47のシルエット。
「カーゴパンツだから」と気負わず、何気ない黒のトラウザー、パンタロンと思って試していただきたいです。
宇多田ヒカルがMV撮影で軍パンを着用すると決まった時、ニューヨーク育ちの彼女がなぜアメリカの軍パンではなく、フランスの軍パンM47を採用したのかもわかってくると思います。
センタープレスを付け、よりスラックスに近づけて履くのもおすすめしております。
冬にウールのトップスやレザーの足元を持ってきても、もちろん合いますよ。


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OUTIL(11(MEN) Black/ブラック)PRICE : ¥46,200
- 3 COLOR
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OUTIL(12(MEN) Charcoal/チャコール)PRICE : ¥46,200
- 3 COLOR
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OUTIL(12(MEN) Olive/オリーブ)PRICE : ¥46,200
- 3 COLOR
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今回の文章ではビンテージのM47をオリジナルと呼び、敢えて区別してきました。
オリジナルをモチーフに、縫製などのディテール忠実に再現する「守」。
そこに植物由来の天然染色やヘンプを混ぜるなど、発展させる「破」。
そして、それらを融合させまた新たな1つのオリジナルが生まれる「離」。
まさに千利休が説いた「守破離」のようなアイテム。
オリジナルを越してないアイテムはあくまで復刻、レプリカ。
ただオリジナルに引けを取らず、凌駕しているOutilのアイテムもまた1つの「オリジナル」です。
やっぱりOutil好きですねぇ。
Text by staff Omachi.
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