個人的に、ジャージといえば、90年代のブリットポップ、オアシスやリアムギャラガーのイメージがあります。
それまでのパンクやハードコア/ヘヴィメタルのピタピタのパンツにレザージャケットなど、かなり気合の入った装いから一転、ステージ衣装としての服ではなく、リスナーがリアルに着ているような、労働者階級を表すようなジャージ。
それまでのメインストリームを否定することで生まれる新たなカルチャー。
それって、ジーンズに代表されるカウンターカルチャーだと個人的には思います。
ジャージなんて昔は、ダサい、の代名詞だったわけですから、ニードルズからトラックパンツがリリースされた当初は、否定的だった人も多くいたはずです。
それを、ブランドとして変わらず作り続け、一部のファッション好きに受け入れられ、じわじわと広がって、今となってはパンツの1つの選択肢として普通に受け入れられています。
ジャージというマイノリティを、マジョリティにまで押し上げたのは、確実にニードルズのトラックパンツです。
今やスウェットパンツやイージーパンツを穿いている人を当たり前のように見かけますが、それも、ニードルズのトラックパンツが作り出したストリームだと思います。
物珍しいだけ、マイノリティなだけで受け入れられたものの寿命は長くありません。
やはり、マイノリティをひっくり返すには、それ相応のパワーがなければ無理です。
今回、撮影の依頼を受け、脚を通してみましたが、やっぱりシルエットが抜群に良い。
スポーツブランドが出す本来のジャージの良さももちろんあるんですが、やっぱり、トラックパンツはファッションへの取り入れやすさが随一です。
これ、自分の店で取り扱ってたら、毎シーズン1本は買い足していくやつです。
シルエットの良さ故にベーシックなカラーももちろん良いんですが、ジャージならではのカラーバリエーションがやっぱり魅力的で、普通の綿パンなら選ばないような色を選んでみてほしいです。
ニードルズのトラックパンツに関しては、色への先入観をなくして、とりあえず試着してみてください。
おっ、これならいけるかも、という新たな出会いがあるはずです。