あの時のレノマと今のレノマ
COOP 京都店の三島です。
わざわざコーヒーを淹れ眠気を飛ばし、慌てて書き綴っているのは、ご紹介したかった商品が最後の1着になってしまったからです。
まだ未入荷の商品があったので、合わせてご紹介したかったのですが、そうも言ってられなくなり焦っていました。
個人用に発注したのが1着、店頭に出すか悩んだのですが、どうしても欲しかったので許して下さい。
renoma
renomaは昔から知っていました。
家のトイレに敷かれた赤のrと黒のrがデザインのマットがそれでしたので。
自分にとってのrenomaはただそれだけで、連れられた百貨店で見たカゴに詰め入れられて売られている財布もハンカチも「トイレのと同じやつ」である。
これが僕のあの時のレノマ。
モーリスレノマは、60年代にrenoma PARISを設立し、パリに最初のブティックをオープンしました。
ホワイトハウスと呼ばれたブティックにはサンローランやジョンレノンに、アンディウォーホールといった著名人が出入りし、様々な同業者・音楽家・美術家を魅了しました。
現在の彼は趣味の写真活動や建築関係のディレクション等に勤しみ、アパレル事業の第一線からは離れてはいるものの、一時代を築いたパイオニアです。
世界各国からの支持を集めグローバル化したブランドが、僕のあの時のレノマだったのである。
今回ご紹介されて頂くrenomaは、CLASSのデザイナー堀切さんが監修する新しいrenomaです。
堀切さんは、川久保玲・ジョンガリアーノ・アレッサンドロミケーレに並ぶ洋服お化け。
(個人的にはFRANK LEDERのフランクリーダーやEESETT&Coの中澤さんも加えておきたい)
ここでCLASSのご紹介をするのはお門違いな気がするので割愛させて頂きますが、エスプリの最前線にいたモーリスレノマが認めたお化けが提案するのが、今のレノマです。
renoma
Charonne
color : Navy
size : 48
price : ¥132,000-
renomaを代表するアーカイブを再現したモデル”Charonne”
パリの地域名から名付けられたシャロンヌは、70年代当時フランスで流行したシェイプの強いフレアシルエットのダブルジャケット。
肩が綺麗に見えるパターンに細いアーム、シェイプは高い位置で絞り長めのレングス、主張の強いピークドラペル。
かのケンズブールの様な、重心の高いブレザーにベルボトムや褪せたジーンズ。
これが、今回の堀切さんのあの時のレノマである。
素材はCLASSのコレクションでは馴染みのある人工皮革であるウルトラスウェードにパンチングを施したもの。
透ける。
正確に言うと、パンチングの穴を通して中が見える。
ラペル部分は折り返されてはおらず、生地が切り抜かれており裏側の生地が台となっている。
サイドベンツ、縫製はフラットシーム。
これをスーツだと言う人はもはやいないであろう。
テーラーから始まったブランドの、ドレスでもモードでもパンクでもない、ただファッション性を大事にするというモーリスレノマのマインドのみを受け継いだこれが、今のレノマである。
僕が知っていたいや知らなかったのかもしれないあの時のレノマからは想像もつかない。
ブランド設立から60年、モーリスレノマが、著名人が、多くのファンが持つrenomaのイメージからかけ離れた新しいrenoma。
何がどうなっているかわからないもの。
手に取ってみて初めて理解できるもの。
手に取って見てもらいたいもの。
過去のイメージにすがる必要はない、これから挑戦していくもの。
トイレと百貨店にあったなんとなく知っていたあの時のレノマではなく、明日もどうして着てやろうか頭がいっぱいのもの。
これが僕の今のレノマ。
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