本当は誰にも教えたくないもの / LOCK & Co. HATTERS編

今回はかなりくだらない事を少し踏まえながら商品の紹介をさせて頂こうと思います。お時間のある方は宜しければお付き合いください。

 

今年は例年以上に台風が日本列島を直撃しお客様には多大なご迷惑をお掛けしながらも、やむを得なく店舗営業ができない日がありました。僕はここぞとばかりに溜まっている業務を自宅で処理するには最高の時間だったのだが、普段はまず見る事のない真昼のTV放送で「下町ロケット」というドラマのダイジェストが放送されていた。

始めはPCの画面に向きあい作業をしているなか横目でチラチラ見る程度であったが、20分程時間が経つとすっかりドラマ「下町ロケット」に見入ってしまった。とても印象的だったのが「吉川晃司」さんがとても渋く役柄を演じておられて、僕の幼少期のイメージとはとてもかけ離れていた。(僕は柄にもなくドラマの途中で目頭が少し熱くなってしまう事もあった。笑)

入社したばかりの頃は「ジャケット」の定義みたいなモノを全く理解せずに(現在も理解しているかは自信はないのだが)、「ショルダー」が自分にあっていない製品や立派な「ショルダーパッド」が仕込まれた「ジャケット」などを着用していると周囲の上司や先輩からは「吉川晃司さんみたいやな~。笑」とバカにされるのが落ちであった。

なんどもバカにされるのを繰り返していく中でいつしか「吉川晃司」さんと言うのは僕の中ではネガティブな言葉になっていた。しかし。たまたま見合わせたドラマ「下町ロケット」で拝見させて頂いた姿に僕だけが勝手に抱えていたネガティブなイメージは綺麗さっぱり取り払われた。現在、当時を思い返せば上司や先輩達にとっては「吉川晃司」さん=「肩」なのである。

10年程前の話なので当然「アンコンジャケット」や「イタリアンジャケット」が当時の上司や先輩達の「ジャケット」のスタンダードになっていて、クラシックな「ブリティッシュ」型のジャケットは少し離れた位置に存在する代物であったようだ。理由も今となれば分らないではない。

ある知人の言葉を拝借すると「アングロサクソンと日本人の体型の違い」もあるのかな?と思う。

現在では「ブリティッシュ」型のジャケットといってもドンドン進化している為、決して「ブリティッシュ」型=「ショルダーパッド」というイメージはない。

ロンドンで「E.TAUTZ」とのミーティングの後にイギリスで有名なスーツの「仕立て屋」の仕事を見学させて貰ったが、様々な顧客の「ジャケット」が並ぶ中に少量ではあるがやはり立派な「ブリティッシュ」型のジャケットを発見した。

仕立て屋の職人曰く「着込むととても体に馴染んでいきショルダーパッドも気にならなくなるよ」と説明され部屋の奥から顧客に着こまれ修理を依頼されているジャケットを見せてくれた。笑ってしまうぐらい新品とは全く違うのである。

「肩から脇にかけてのシワ」や「肘裏のシワ」や着込まれた事による立体感がうまれている為心なしか「ショルダーパッド」は目立たなくなっている。心なしかである。時代錯誤なのは間違いないのだがどこか心が惹かれてしまう。

こうした英国の「質実剛健」な洋服には様々な物にまつわる本当か嘘か分らない話があり例えば、、、、、

 

「貴族は自分の趣味であるハンティングの為に仕立てたツイードジャケットを従者に先に着用させて程良く馴染んだ頃に自分ために着用する」とか

 

「オイルドジャケットは夏に購入して太陽にさらして紫外線でオイルと色をとばしてから着用する」とか

 

「手編みのフィッシャーマンセーターは獣毛の脂がぬけない様にシャンプーで洗ってから着用すると更に暖かさを増す」など。

 

どうでもよい事のように聞こえるが、恥ずかしながら試みた事がある。正いしいのか間違っているのは結果的に今もわからず、、、、、もはや僕にとっては伝説である。笑

 

 

たまたま見合わせたドラマ「下町ロケット」から妄想が進んでしまい「ボーっと」考えている数日後に個人的にも大好きなハットメーカーである「LOCK & Co. HATTERS」がイギリスから送られてきた。正にこの「LOCK & Co. HATTERS」こそ自分の中の勝手な質実剛健な「ブリティッシュ」型なのである。

新品のキャスケットをそのまま使用すると「八角パネル」と「アイロン」仕上げでとても横に拡がり過ぎるうえに何故か新品は頭の居心地が浅い。代表的な「ソフトハット」や「キャップ」なども新品だとステッチとファブリックが深く混ざっていない雰囲気で顔回りがおさまらないように思えてしまう。

とこらがしばらくかぶり続けると(もしくは)初めに水に浸してみたりすると印象がかなり変化して、とても個人的には好みの雰囲気に化ける。(後者の水に浸すに関してのオススメは致しませんのであくまでも自己責任でお願い致します)

これまでもいくつも使用しすぎて「裂けたり」「脱色」しすぎてしまい、泣く泣く新しい「LOCK & Co. HATTERS」に買い替えてはきたがいつも自分の手元から離れる時が一番頭の居心地が良い為にボロボロになるまで手放せない。

かたやイタリアの「Borsalino」はソフトハットの生みの親と呼ばれているだけあり「ソフトハット」に限らず全体的に柔らい印象で初めからとても使用しやすいのである。この辺りはイタリアの「ジャケット」にはじまり「手縫いのシャツ」や「セーター」にも通ずるモノがある。

 

今回の「LOCK & Co. HATTERS」の入荷で個人的に楽しみにしていたファブリックがある。

一年前のロンドンで「LOCK & Co. HATTERS」とミーティングしながら「カシミア」のファブリックをたくさん探すが目付けがギッシリつまったサンプルファブリックが無い。

当日、偶然首に巻いていた英国のカシミアで有名なストールを思い出し「これ使ってくださいませ」とお願いすると、先方はニヤリと笑い「そちらはロイヤルワラントホルダーでもシングルクラウンだろ?」「我々はダブルクラウンだからねー。笑」といかにも英国らしいニヒルなジョークを挟まれながら最終的にはキッチリ製品に仕上げてくれた。

しっかりと織りこまれたカシミアの為に帽子全体のボリューム感が増しとても満足のいく仕上がりになった。

 

しかし、いざ入荷してみてみると周囲のスタッフは「コーデュロイ」のファブリックに興奮気味なようで、、、、、自分自身の影響力の無さに少し寂しさを感じてしまった。笑

 

BUYER NAKANISHI, 出張

本当は誰にも教えたくないもの / DINEH編

連日、今シーズンの秋の商品や既に秋を通り越して冬の商品も続々と店頭に並び始め、いよいよ商品について少し触れた内容のBLOGも書かないと店頭のスタッフからまたブー…

2018.08.20Detail>>