本当は誰にも教えたくないもの / DINEH編

連日、今シーズンの秋の商品や既に秋を通り越して冬の商品も続々と店頭に並び始め、いよいよ商品について少し触れた内容のBLOGも書かないと店頭のスタッフからまたブーイングが起こりそうなので今回は少し真面目に書かせて頂こうと思います。宜しければお付き合い下さい。

 

 

数シーズン前のパリ出張の途中で知人から「面白いジュエリーがあるから」と紹介されたのがきっかけであった。

さっそく次の日にそのジュエリーを見に行って僕は一瞬眉をひそめた。目の前に並んでいるのは「アメリカンネイティブジュエリー」であった。

僕はパリで「アフリカンネイティブジュエリー」ならまだしも「アメリカンネイティブジュエリー」に頭を悩ませられる事になるとは思いもしなかった。僕は個人的に入社以来「アメリカンネイティブジュエリー」をどこか自分から遠ざけたセレクトをしてきた様に今になると思う。

入社当時その道にとても詳しい先輩方も沢山いらっしゃって、「このシルバーがな!」とか「この掘りがな!」とか「この歴史がな!」とかで盛り上がる周囲の人々の熱狂ぶりを見てそこまであつくなれなかった僕は逃げ出したのである。(笑)

そして遂に逃げられない選択を何故かパリにて迫られる事になる。

 

 

どことなく今まで僕が見てきた「アメリカンネイティブジュエリー」とは違うのである。色々質問すると、純粋なナバホ族の血を引く若いデザイナーで(確か当時でも2シーズン目と言っていた記憶がある)先祖はシルバースミスとして代々活躍してきた家系だそうだ。

しかし彼女はデザインを学ぶ為に一時期「ロンドン」や「パリ」で学び、現在は再び故郷のニューメキシコに戻りこうした物作りと向き合った生活をしているとの事だった。

この一度外の世界に出て新しい感覚を取り入れ再び彼女特有の「背景」を存分に活用させ創作した「ジュエリー」であった。正に「オーセンティック」×「モダン」というか「ポップ」ミーツ「クラシック」とでも言うのか強い組み合わせである。

 

 

色々と話を聞いている内に僕は「これは現地で彼女に密着取材せねば」と思い、前回のアメリカ出張にて二日間同行させてもらった。その二日間の感想は正に「ディス・イズ・ナバホ」であった。(笑)

当然の様に聞こえるかもしれないがこの「ジュエリー」は工程全てがほぼナバホの方々の腕によってだけで生み出されている。⦅詳しい話はまた今後のBLOG(未定です)もしくは店頭にて⦆(笑)

二日間の中で印象に残った彼女の言葉は「ナバホのネイティブジュエリーを現在のスーベニア的な扱いからラグジュアリーまで押し上げたい」と力強く言った言葉であった。

卓越した技術を持ち合わせていても国際的に「アーティスト」と称される人は極めて一部の人だけらしい。そしてもう一つ彼女は「意図的にシルバーを輝かせて作品はおさめる。ヴィンテージ風ではなくシルバーが黒くくすんでいく過程もデザインの一部だから」と。

僕はその後のNYCで「アメリカンネイティブジュエリー」に僕より何倍も詳しい知人にモノを見せてみると「旧いモチーフを面白く組み合わせているね~」とゆるーい感じでその方は言っていた。僕はただマジマジと「へえ~~」とゆるい空気の中の会話が何故か今ふと思い出した。

 

 

最近、入社当時に教え込まれた「MADE IN USA」が僕の中で少し変わりつつある。現在思い返せば当時は「MADE IN USA」という言葉はそれだけで「ノスタルジー」に浸れる不透明な魅力をもった言葉の力があったのだ。

現在は「モノ」の魅力を最大限お客様に伝えようと思うと「MADE IN USA」という言葉だけではもはや伝わらない。その為、写真や動画を駆使して伝えていくなかで「不透明」なモノはどんどん許されなくなっていく。

そんな中でも以前このBLOGでも軽く紹介させて頂いた「COBRA ROCK BOOTS」のコルトとローガンの二人も今回の「DINEH」のデザイナーであるサマンサも限りなく純粋に「MADE IN USA」であり、更には「MADE IN TEXAS」であり「MADE IN NAVAJO」である。

両者それぞれの「ノスタルジー」に浸りつづけるのではなく、そこから更に一歩踏みだしたモノづくりに挑戦している様に思える。

 

「COBRA ROCK BOOTS」は「ウエスタンブーツ」を。

「DINEH」は「アメリカンネイティブジュエリー」を。

 

そして、量産性を魅力にした「MADE IN USA」とも全く違う「アメリカンノスタルジー」からのアップデートである。

しかし、この「ノスタルジー」が持つ魅力と消費効果は絶大である。実際に僕自身も魅了され現在も数々の「散財」を繰り広げているわけで!!だからこそ、一歩踏み出す彼らを本当に「素晴らしい」と思います。

 

 

大きく話が脱線しました。

そして文章が崩れてもはや修復できそうにないので今回はこれにて勘弁してください。(笑)

おそらくこれからまだまだ出会うであろう「NEXT MADE IN USA」楽しみです。

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