YONETOMI LOFTMAN別注 RIGID CASHMERE DRIVERS

最高品質のカシミヤを繊維の切れる限界まで撚りをかけ、生み出したYONETOMIだけの別注糸を使用し、未染色、未洗いの状態から”育てられるセーター”が誕生したのが2020年秋冬。

RAWの状態から育てたセーターを染め替えて新たなオリジナルの一枚に仕上げる染め替え受注会や別注のカシミヤカーディガンを経て4年目の今年、リジットカシミヤの良さを最大限に引き出した渾身の別注が今回の『RIGID CASHMERE DRIVERS』。

実現不可能とさえ言われた縮まない両畦編みのリジットカシミヤ生地で仕立てたドライバーズニットで、定番のリジットカシミヤよりもひとつローゲージにした7Gの生地、フロントはダブルファスナー、カシミヤ生地のハンドウォーマーポケットを備えた仕様です。

LOFTMAN別注 Rigid Cashmere Drivers Knit
Yonetomi
(2(MEN) Raw/ロー)
PRICE : ¥99,000
1 COLOR
カラーチップ1

model-180cm/60kg (着用サイズ3)

*全店舗で合計30枚のみの限定生産品番です。

 

販売開始日時

2023年11月10日(金)12:00~

取扱い店舗

京都 LOFTMANCOOP KYOTO
大阪 LOFTMANCOOP UMEDA
東京 LOFTMAN TOKYO
オンラインショップ



なお、今回の別注企画を立案いたしました弊社社長の木村のインタビュー映像も是非ご一読くださいませ。

Q. リジットカシミヤを初めて見た時の感想

A. 元々この「リジットカシミヤ」という名前は付いていなかったんですけど、米冨繊維の大江社長と今田さんから「強撚の糸で度詰めのカシミヤのセーターを染めるイベントをやってもらえませんか?」というお話を頂いたのですが、当時は米冨繊維さんと商品のビジネスはしていなかったので、まずは一点でもいいのでお取引させていただいてからイベントをしましょうということになりました。

 カシミヤのセーターを染めるということに対しても、染まっても本当に縮みが出ないのかとかいろんな疑問があったので、どれを染めるのか見せてくださいと言って、出していただいたのが未染色・未洗いのセーターでした。

 

そもそもはそのセーターを染めるイベントだったのですが、「染めずにこれをうちに卸してください」と言ったところがリジットカシミヤの誕生の始まりです。

 当時は洗っていないので紡績油の匂いがして油がちょこちょこ飛んでいたのですが、本来はそれを染色して洗うことによってカシミヤの柔らかさと風合いがでるところを、その直前で止めてもらうという。リジットのデニムを育てて履いていくように、自分で洗って自分のセーターにしていくというところから、名前は「リジットカシミヤ」という名前が生まれました。

 

 最初はLOFTMAN TOKYOとLOFTMANCOOP KYOTOの二店舗からスタートしたのですが、それがたまたまLOFTMAN TOKYOのオープンのタイミングで、ご来店いただいたスタイリストさんやPRの方にご好評いただき、発信していただいたことで一気に名前が有名になりました。

 

 偶然に出た産物、みたいな。

Q. 今までそういった商品はあったのでしょうか?

A. ニット業界の人だと、オイルの臭い匂いや油のシミも残こした状態で販売するという概念がなかったって、米冨繊維の大江社長が言っていました。僕はそれを面白いなと思って。70%の完成度で、後の30%は自分で洗って着こんで育てていくことで経年変化を楽しめるカシミヤのセーターって今まで存在しなかったので。

ロフトマンらしい新しい形になったかなと思います。

 

首元には敢えてタグを付けずに、パッケージも袋詰めにしてもらって、まるでヨーロッパの民間の軍用のセーターが工場から出てきたような雰囲気でいきましょうってお話もしました。デッドストックのセーターっぽく仕上げたかったので。

 

 この三年間販売させていただいたリジットカシミヤのもう一つ上のモノが作りたいと思って、洗える、畦のドライバーズニットを作りましょう、と依頼させていただいたのが、通称「リジットドライバー」です。

Q. いつ頃から構想されていたのですか?

A. 一年半以上前に、畦のリブのニットは、洗っても縮まない編地と組織でできるのかというお話は米冨繊維さんに投げていたのですが、大江社長も正直できるか分からないというお話からスタートしました。数量は少ないにしても、良いものをどれだけコストを抑えてできるかっていうのにチャレンジしたくて。

 本当はコストを抑えようと思うと、片畦にしたり、カシミヤの量を抑えてゲージを軽くして畦を作ることはできるのですが、そうなると縮んでしまう。縮まない絶妙なゲージとなると、やはり両畔で目を詰まらせて、ある程度のウエイトが重たくないといけない。そこの色々なバランスをみてもらって、今回のリジットドライバーが出来上がりました。しかも消費税込みで10万円を切りたかったのでプライスも意識しました。

 そもそも洗って縮まない畦のセーターは出来ないって言われていたのですが、そこを「リジットカシミヤを作った米冨繊維さんならできるんじゃないですか」と無理難題を投げて、工場の方たちとミーティングして作ってもらいました。リジットカシミヤは平編みで強撚の度詰めで編地ができるので出来なくはないんですけど、畦になると伸縮性のある編地を縮まないようにするって、なかなか難しいんですけどね。

 セーター10万円って凄く高い気はするんですけど、カシミヤ1.1kgから1.2kg使って両畦で作るとやっぱりしてしまう。それを米冨繊維さんの企業努力でギリギリの価格を出してもらいました。

 今回しかやらないです。30着限定です。来年はもう作らないです。

Q. ドライバーズ以外の新しい型が出る可能性はありますか?

A. 出てきたとしても、このドライバーズのようなカシミヤを1.2kgもの量を使った別注で、コストを10万円以下に抑えることは今後難しいかな。為替とかいろいろな部分で。カシミヤの糸の値段がどんどん上がっていて、アジア圏内のファッションのマーケットも大きくなっていて、カシミヤの取り合いにもなっている状態です。

 日本に良質なカシミヤを入れようと思うと、やはりコストが上がってしまう。

しかも縮まないように強撚にして両畔で作るとなると、どうしてもカシミヤの量も使うので値段もあがってしまう。

今回のリジットドライバーの拘りのポイントのひとつに、ポケット裏にリジットカシミヤの生地を使っているというところ。最高級に贅沢なセーターです。

 

販売価格も重要な要素の一つだと思っているので、10万円を切る値段でやったんですけど、次からはできなさそうので、最初で最後のリジットドライバーになるんじゃないかな。

今年、僕が作った別注企画の中で一番思い入れと時間をかけた、過去にも例をみないくらいの労力をつぎ込んだセーターができたかなと思います。

Q. 最後に、「リジットドライバー」のお手入れの方法を教えてください。

A. スウェットを洗うのと同じ感覚で洗っていただいて大丈夫です。気になる方は、裏に向けて大きめのネットに入れていただいて普通のコースで洗ってください。脱水が終われば、太めのハンガーにかけて干していただいたら大丈夫ですが、平干しなら尚良しですね。

ガンガン洗って、いい雰囲気になるように着ていただきたいカシミヤのセーターなので、洗濯方法は気を使わないで大丈夫です。

デニムの色落ちを楽しむように、洗うと膨らんできて本来持つカシミヤの風合いに近づいていくのも楽しんでいただけるセーターです。

 

 20年、30年、虫が食わない限り着ていただけるセーターだと思います。

是非、店頭でご覧ください。

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