WhitehouseCox × LOFTMAN 別注の歴史を振り返る。

 

 

「贈り物」だったり、「自分へのご褒美」だったり、何かの契機に探すことが多い革小物。

最高の素材と確かな伝統の技術が組み合わさった”Whitehouse Cox/ホワイトハウスコックス”の革小物を、
これまで幾度となくおすすめをしてきました。

そんな僕たちLOFTMANの「定番」とも言えるレザークラフトファクトリーが、
2022年12月末日に147年の歴史に幕を下ろすことになります。

その長い歴史の中でも僅かな期間ですが、およそ20年弱のあいだ様々な商品をご紹介してきました。

中でもロンドンカーフを用いた別注はたくさんのお客様に愛され、
これまで10以上ものレザーアイテムを展開させていただけたことは、
僕たちの中でも大きな誇りとなっています。

ライフスタイルの変化とともに形を変え提案をしてきた財布類はもちろんの事、靴べらや鞄に至るまで。

そのすべての企画を行った弊社代表木村とともに、振り返って行きたいと思います。
 

 

 

 

上質な欧州産のカーフをベースに、表面にはグレイン調型押しパターン。
ピグメントダイ(顔料染)の後、樹脂でコーティングを施すことにより完成するロンドンカーフ。

艶やかな上品さに加え、傷つきにくく、また使い込むごとに光沢が増していく
この革で企画をした初めての別注がS1774/S1226です。

 

表面にロンドンカーフを、内面にブライドルレザーを用いたこの二種類のウォレットは、
コの字型ジップを採用した大容量のロングタイプに、汎用性の高い二つ折りタイプ。

電子マネーやカード決済がまだまだ浸透していなかった時代にとても好評をいただき、
約二年の間継続してご紹介をさせていただきました。

その後2018年にラインナップを拡張。

 

オールブラック、内側にもロンドンカーフを使用し細部まで拘りを持って制作頂いた
S1980に代表される"BLACK LONDON CALF COLLECTION"です。

自分のライフスタイルに合わせて持つことができる計4種のウォレットに、合わせて使えるウォレットリード。

トラディショナルなスタイルを愛する人々に向けて提案をした、スマートに携帯ができる、品のあるコレクションでした。

 

2019年にはNavyカラーが初登場。

ピグメントダイを施すという製法により、幅広い色加工が可能なロンドンカーフの特徴を生かして生まれた深みのあるカラーは、
復刻の声もあるほど(現在は廃盤)。

 

この頃から世界的な情勢の変化もあり、ウォレットを取り巻く事情は大きく変容していきます。

 

非接触型の決済の浸透や、小型の財布の流行もあり、少量の硬貨類と紙幣、
加えてカード類をコンパクトに収納できるウォレットを求めるお客様が増えてきた2021年、
コンパクトな三つ折りデザインのS3158と、小銭入れを外付けすることで薄さに特化したS3055、
スマートなデザインと収納力を併せ持ったS3252が登場します。

 

何度も再販を繰り返す中で、今ではBlack/Dk.Brown/Taupeの3色を展開するに至り、
LOFTMANの顔とも言える別注へと成長をしました。

今年に入ってからは、かねてから要望もあったカードケースS3289を始め、
贈り物にもご好評頂いております靴べらS5634/5529、更には久方ぶりとなる鞄の別注L9088と新たなモデルを数多くリリース。

 

身の回りのレザーアイテムを網羅することもできる程に、そのラインナップの豊富さを確かなものとしました。

 

株式会社ロフトマン 代表取締役社長 木村 真
木村 真
株式会社ロフトマン 代表取締役社長

1996年 ロフトマン入社。 1999年パタゴニアを日本で初めての取扱いセレクトショップとなるLOFTMAN COOP京都店を立ち上げる。
2006年にはLOFTMAN COOP梅田店、2015年には初の商業施設への出店となるLOFTMAN COOP E-ma店を展開し、2021年代々木上原にLOFTMAN TOKYOをオープン。
2015年より取締役を務め、2022年に代表に就任。現在は、ロフトマン全体のディレクションを担う。

 

 

Q1: Whitehouse Cox/ホワイトハウスコックスとLOFTMANとの始まりはどういった形だったのでしょうか。

木村当時今出川にあったロフトマン本店から取り扱いをスタートしたと記憶してます。
ブライドルレザーを中心とした定番品のラインナップから販売を始め、およそ20年の間取り扱いを続けてくることができました。

 

Q2: Whitehouse Cox/ホワイトハウスコックスに対して、どのような思い出をお持ちですか。

木村学生時代に旅行で行ったロンドンで購入したのがWhitehouse Cox/ホワイトハウスコックスとの最初の出会いでした。ロフトマンで仕入れを担当するようになり数多くの別注を作らせて頂き、今現在も愛用している私にとっては唯一無二のブランドです。

 

Q3: 2015年から始まったロンドンカーフでの別注企画について、始まりや拘った部分をお聞かせください。

木村それまでのWhitehouse Cox/ホワイトハウスコックスはブライドルレザーが主流で、ロフトマンでもかなりのモデルを展開していました。使い込むほどに経年変化を楽しめるレザーで、それはそれでデニムのように愛着が持てる存在でよかったんですが、
2015年にブライドルレザーとは対極にある経年変化が少なく、傷や汚れが目立ちにくいスコッチグレインレザーのWHCが登場しました。

 

 

初めてのロンドンカーフを使用した別注、S1776。
こちらはスタッフ私物で、傷はあまり見えず、革の堅牢さが遺憾なく発揮されている。
当時これほどのサイズの財布を別注していた部分に、ライフスタイルの変遷に応じて別注を企画してきた木村の意図が伺える。

 

木村ちょうど私も年齢的により上品な質感の財布が欲しくなり、いっそう作ってしまおうと、このスコッチグレインレザーを使った別注がスタートしました。
当時はNavyとTanの2色しか展開がなかったロンドンカーフにグリフィンインターナショナルさんのご協力の元、皮の染めからお願いしてブラックロンドンカーフを作成して頂きました。

 

 

シンプルなカードケースのS3289は、今年新たに登場した中で木村が特に気に入っているそう。
スタッフの要望で生まれたカードケースだが、当時のラインナップに無いものだったのですぐに依頼。
職業柄名刺を数多く受け取る木村にとって、大凡30枚ほど収納できる大容量なポケットがポイントのようだ。
品のある色出しのトープも、イチオシのカラー。

 

Q4: 中でも思い出に残る品番はありますか。

木村キャッシュレス化も進み、長財布からコンパクトな財布が主流になり始めた時に企画をしたS3055とS3158がこだわったポイントも多く印象に残ってます。

 

 

S3055のエイジングを比較している場面。
向かって左が新品、右が木村私物(およそ3年ほど使用、当時のプロトタイプ)。
取り回しのしやすいモデルだからこそ毎日手に触れるようで、シボ感が薄くなり光沢がましているのがよくわかる。

 

Q5: 2022年末にて事業を廃止するWhitehouse Cox/ホワイトハウスコックスについて、最後に一言お願いします。

木村どの世界でも起こる後継者問題、職人の高齢化による技術継承問題など今後も起こりうることだと思います。
150年近く5代に渡り伝統と技術を継承し続けたことに感謝しております。お疲れ様ですとしか言いようがないですね。

 

LOFTMAN別注 S1980 Zip Wallet

1:LOFTMAN別注 S1980 Zip Wallet

 

LOFTMAN別注 S1195 L Zip Wallet

2:LOFTMAN別注 S1195 L Zip Wallet

 

LOFTMAN別注 S1981 Long Zip Wallet

3:LOFTMAN別注 S1981 Long Zip Wallet

 

4:LOFTMAN別注 B2225 Wallet Cord

 

LOFTMAN別注 S3055 Multi Purse

5:LOFTMAN別注 S3055 Multi Purse

 

LOFTMAN別注 S3158 Compact Wallet

6:LOFTMAN別注 S3158 Compact Wallet

 

LOFTMAN別注 S3252 Three Folded Wallet

7:LOFTMAN別注 S3252 Three Folded Wallet

 

LOFTMAN別注 S5529 Shoe Lift Large

8:LOFTMAN別注 S5529 Shoe Lift Large

 

LOFTMAN別注 S5634 Shoe Lift Small

9:LOFTMAN別注 S5634 Shoe Lift Small

 

LOFTMAN別注 S3289 Card Case

10:LOFTMAN別注 S3289 Card Case

 

LOFTMAN別注 L9088 Small Cartridge Bag

11:LOFTMAN別注 L9088 Small Cartridge Bag

 

 

 

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